H17-02-1 商-商標権の効力


■ H17-02 枝1 ■   商-商標権の効力

<問題>
 次の記述は,商標法に関する教授と学生の会話である。次の記述のうち,学生の回答が最も不適切なものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

1 教授: わが国が商標権の発生に関し,登録主義を採用している理由を述べてください。
  学生: 商標権の発生を使用の事実に係らしめると,使用されたかどうかの認定が困難で,権利が不安定になりかねず,産業の発展を妨げるおそれがあります。このため,わが国は,登録主義を採用しました。なお,不使用取消審判制度を採用するなどして使用主義的な要素も取り入れています。






<解答>
答え:  (商3条1項柱書)

解説: 
 登録主義とは,実際に使用をしていなくても一定の要件さえ満たせば商標登録を受けられる法制をいう。我が国の商標法制度は,使用事実の客観的立証が困難であること,権利の安定性に鑑みて,登録主義を採用している(商3条1項柱書)。その一方で,登録主義の弊害を是正するために,不使用取消審判(商50条)等の使用主義的な観点からの修正を加えている。
 よって,本回答は適切である。


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H17-02-2 商-商標権の効力


■ H17-02 枝2 ■   商-商標権の効力

<問題>
 次の記述は,商標法に関する教授と学生の会話である。次の記述のうち,学生の回答が最も不適切なものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

2 教授: 真正商品の並行輸入に関し,わが国の商標権の侵害とならないための要件について述べてください。
  学生: わが国の商標権の侵害とならないための要件は,3つあります。第1の要件は,並行輸入に係る商品に付された商標が外国の商標権者又はその商標権者から許諾を受けた者により適法に付されたものであることです。第2の要件は,その外国の商標権者とわが国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視できる関係にあることによって,その商標がわが国の登録商標と同一の出所を表示するものであることです。第3の要件は,わが国の商標権者が直接的に又は間接的に並行輸入に係る商品の品質管理を行いうる立場にあることから,その商品とわが国の商標権者が登録商標を付した商品とがその登録商標の保証する品質において実質的に差異がないことです。






<解答>
答え:  (フレッドペリー事件(最判平15・2・27))

解説: 
 判例によれば,並行輸入が侵害にならない要件として,①商標が適法に付されたこと,②商標権者が同一視できること,③品質管理を行いうる立場にあること,が必要である。
 よって,本回答は適切である。

Point!
 フレッドペリー事件については,その年の平成18年論文本試験で出題されました。直近2年の短答式試験で出題された最高裁判例は,完璧に暗記しておく必要があります。



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H17-02-3 商-商標権の効力


■ H17-02 枝3 ■   商-商標権の効力

<問題>
 次の記述は,商標法に関する教授と学生の会話である。次の記述のうち,学生の回答が最も不適切なものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

3 教授: 商標法第3条第2項において,同条第1項第1号と第2号に該当する商標が規定されていない理由を述べてください。
  学生: 商標法第3条第1項の第1号から第5号までは,自他商品又は自他役務の識別力がない商標を列挙したものと解されますが,第1号と第2号に該当する商標は,使用によって自他商品又は自他役務の識別力を獲得するとは考え難く,また,取引上特定人に独占させることも適当でないと考えられるからだと思います。






<解答>
答え:  (商3条1項各号)

解説: 
 商3条1項の1号から5号までは,独占適応性がなく,識別力がない商標を列挙している。しかし,識別力を獲得した場合には,商3条1項3号ないし5号には商3条2項の例外が規定されている。ここで,同条1項1号と2号に該当する商標が規定されていない理由は,識別力を獲得する可能性はなく,特定人に独占させることも適当でないからである。
 よって,本回答は,正しい。

Point!
 普通名称や慣用商標は,特定人が他人に使用されることなく永年独占的に継続使用してその者の商品の識別標識として認められるようになった場合においては,すでに普通名称や慣用商標であるとはいえないため,商3条2項を規定する必要がありません。すなわち,商3条1号・2号に該当するなら識別力はないし,識別力があるなら同条1号・2号に該当しない,という論理の循環です。本回答は表現上多少不適切ですが,次に説明する枝4は条文上で明らかに不適切です。したがって,枝4が相対的に,最も不適切となります。



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H17-02-4 商-商標権の効力


■ H17-02 枝4 ■   商-商標権の効力

<問題>
 次の記述は,商標法に関する教授と学生の会話である。次の記述のうち,学生の回答が最も不適切なものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

4 教授: 商標権者が自己の登録商標を指定商品に類似する商品に使用し,他人の業務に係る商品と混同を生じさせた場合,当該商標権は,どうなりますか。
  学生: 商標権者の故意又は過失によるものであるときは,商標登録の取消しの審判の対象となります。この審判は,何人でも請求できます。






<解答>
答え: × (商51条1項)

解説: 
 商51条の取消審判は,商標の不当な使用によって一般公衆の利益が害されるような事態を防止し,かつ,そのような場合に当該商標権者に制裁を課すものである。この不正使用取消審判においては,「故意」を要件とし,「過失」の場合は適用されない(商51条1項)。禁止権の範囲も事実上の使用は可能であるため過失で取り消すのは酷だからである。
 本問で学生は,商標権者の「過失」によるものであるときも,商標登録の取消しの審判の対象となると発言しているため,不適切である(商51条1項)。



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H17-02-5 商-商標権の効力


■ H17-02 枝5 ■   商-商標権の効力

<問題>
 次の記述は,商標法に関する教授と学生の会話である。次の記述のうち,学生の回答が最も不適切なものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

5 教授: 特許出願より後願の商標登録出願に係る他人の商標権と抵触関係にある特許権が消滅した場合,原特許権者は,その特許発明の実施を中止しなければなりませんか。
  学生: 特許権が存続期間の満了により消滅したものであり,不正競争の目的によるものでないならば,原特許権者には,原特許権の範囲内で商標の使用をする権利が認められます。その場合には,商標権の侵害とはならないので,その特許発明の実施を中止する必要はありません。






<解答>
答え:  (商33条の2第1項)

解説: 
 商33条の2第1項により,適切である。先願の原特許権者が自己の特許発明を実施することができなくなるのは,不合理だからである。
 よって,本回答は適切である。



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H15-09-1 商-商標権の効力


■ H15-09 枝1 ■   商-商標権の効力

<問題>
 商標権等に関し,次のうち,正しいものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

1 利害関係人は,更新登録の申請に際して納付すべき一括納付又は分割納付による前半分の登録料については,納付すべき者の意に反しても,これを納付することができる。






<解答>
答え: × (商41条の3第1項)

解説: 
 更新登録の申請と同時に納付すべき登録料については,利害関係人は納付することができない(商41条の3第1項)。更新登録の手続が,商標権者の意図のみをもって行われ登録料の納付を同時に行わなければならない「申請」としたことから,利害関係人による納付を考慮する余地はないからである。
 よって,本枝は誤り。



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H15-09-2 商-商標権の効力


■ H15-09 枝2 ■   商-商標権の効力

<問題>
 商標権等に関し,次のうち,正しいものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

2 防護標章登録に基づく権利は,当該商標権を移転したときは,消滅する。






<解答>
答え: × (商66条2項)

解説: 
 防護標章登録に基づく権利は,当該商標権を移転したときは,その商標権に従って移転する(商66条2項)。
 本枝は,「消滅する」とする点で誤り。

Point!
 防護標章登録に基づく権利は,当該商標権を分割したとき,及び,当該商標権が消滅したときは,消滅します(商66条1項・3項)。



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H15-09-3 商-商標権の効力


■ H15-09 枝3 ■   商-商標権の効力

<問題>
 商標権等に関し,次のうち,正しいものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

3 指定商品又は指定役務に類似する商品又は役務について登録商標の使用をする場合において,その商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為をした者は,懲役又は罰金に処せられる。






<解答>
答え:  (商74条2号,商80条)

解説: 
 何人も商74条各号に掲げる虚偽表示行為をしてはならず(商74条1項柱書),違反した場合は懲役又は罰金に処せられる(商80条)。
 本問の,「指定商品又は指定役務に類似する商品又は役務について登録商標の使用をする場合において,その商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為」は,商74条2号の虚偽表示行為に該当するため,懲役又は罰金に処せられる(商80条)。
 よって,本枝は正しい。



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H15-09-4 商-商標権の効力


■ H15-09 枝4 ■   商-商標権の効力

<問題>
 商標権等に関し,次のうち,正しいものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

4 専用使用権者は,その専用使用権の範囲内であれば,商標権者の承諾を得ることなく通常使用権を許諾することができる。






<解答>
答え: × (商30条4項,準特77条4項)

解説: 
 専用使用権者は,商標権者の承諾を得なければ通常使用権を許諾することはできない(商30条4項,準特77条4項)。
 よって,本枝は誤り。



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H15-09-5 商-商標権の効力


■ H15-09 枝5 ■   商-商標権の効力

<問題>
 商標権等に関し,次のうち,正しいものは,どれか。ただし,マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

5 防護標章登録に基づく権利の設定の登録を受ける者は,商標法第65条の7第1項(登録料)の規定にかかわらず,登録料を分割して納付することができる。






<解答>
答え: × (商41条の2)

解説: 
 防護標章登録に基づく権利の登録料については分割納付制度を採用していない。その権利の性格上,存続期間の途中で権利維持を見直す必要性はないと考えられるからである。
 よって,本枝は誤り。

Point!
 防護標章登録ということは,権利者は著名商標を持っていてこれを非類似商品まで強く保護したいと考えているわけです。したがって,「権利の性格上」,分割納付を認める必要はないということになります。



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