H18-52-1 特-特許権の効力及びその制限


■ H18-52 枝1 ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許発明の技術的範囲に関し,次のうち,正しいものは,どれか。

1 特許請求の範囲の請求項の記載が機能的な表現を含んでいる場合,その請求項に係る特許発明の技術的範囲は,常に願書に添付した明細書に記載した実施例に限定して定められる。






<解答>
答え: × (磁気媒体リーダー事件(東地判平10・12・22))

解説: 
 特許請求の範囲の請求項の記載が機能的な表現を含んでいる場合には,その記載のみによって発明の技術的範囲を明らかにすることはできない。よって,その記載に加えて明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌し,当該発明の技術的範囲を確定すべきものと解する。ただし,この解釈は,発明の技術的範囲を明細書に記載された具体的な実施例に限定するものではなく,実施例としては記載されていなくても,明細書に開示された発明に関する記述の内容から当業者が実施し得る構成であれば,その技術的範囲に含まれるものと解すべきである(東地判平10・12・22)。
 本枝は,「常に……実施例に限定して定められる」とする点で誤り。


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H18-52-2 特-特許権の効力及びその制限


■ H18-52 枝2 ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許発明の技術的範囲に関し,次のうち,正しいものは,どれか。

2 特許庁の判定においては,特許発明の技術的範囲を認定するために,願書に添付した要約書の記載を考慮することができる。






<解答>
答え: × (特70条3項)

解説: 
 特許発明の技術的範囲については,願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない(特70条3項)。要約書は発明の内容を簡潔にまとめた技術情報であり,権利の内容を定めるものではないからである。したがって,特許発明の技術的範囲の判定においても,当該趣旨より要約書は考慮されない。
 よって,本枝は誤り。



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H18-52-3 特-特許権の効力及びその制限


■ H18-52 枝3 ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許発明の技術的範囲に関し,次のうち,正しいものは,どれか。

3 特許発明の技術的範囲は,願書に添付した特許請求の範囲の記載のみに基づいて定めなければならず,特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないなどの特段の事情がある場合に限って,願書に添付した明細書の記載を考慮して特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈することができる。






<解答>
答え: × (特70条2項)

解説: 
 特許発明の技術的範囲は,特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない(特70条1項)。この場合においては,願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して,特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする(特70条2項)。明細書は,特許請求の範囲の解説欄的機能があるためである。したがって,本問のように,「特段の事情がある場合に限って」考慮するものではない。
 よって,本枝は誤り。


Point!
 問題文は,権利化前の明細書の考慮の仕方を示したリパーゼ事件(最判平3・3・8)の判旨です。権利化前はリパーゼ,権利化後は特70条2項と覚えましょう。



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H18-52-4 特-特許権の効力及びその制限


■ H18-52 枝4 ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許発明の技術的範囲に関し,次のうち,正しいものは,どれか。

4 特許庁の判定においては,具体的な製品が他人の特許発明の技術的範囲に属するか否かについての判断を求めることができる。






<解答>
答え:  (特70条)

解説: 
 判定とは,特許発明の技術的範囲に属するか否かについて,専門官庁たる特許庁が行う一種の鑑定であって,法的拘束力を有するものではない。かかる判定には,技術的範囲に属すること(積極的判定)を求めるものと,属しないこと(消極的判定)を求めるものがある。したがって,本問のように,他人の特許発明について(消極的)判定を求めることはできる。
 よって,本枝は正しい。



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H18-52-5 特-特許権の効力及びその制限


■ H18-52 枝5 ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許発明の技術的範囲に関し,次のうち,正しいものは,どれか。

5 特許権侵害訴訟においては,特許発明の技術的範囲を認定するために,当該特許に係る出願の経過を参酌することができない。






<解答>
答え: × (特68条)

解説: 
 技術的範囲の解釈においては,出願から特許になるまでの経過を通じて補正書や意見書等を通して出願人が表した意図又は特許庁が表した見解が参酌されると解される(出願経過参酌の原則)。信義則や禁反言の原則を重視し,公正かつ慎重な判断を期すためである。
 よって,本枝は誤り。



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H17-20-イ 特-特許権の効力及びその制限


■ H17-20 枝(イ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許権に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,誤っているものは,いくつあるか。

(イ) 生産,使用,譲渡,貸し渡し,輸出及び輸入をする行為は,物の発明についての実施に含まれる。






<解答>
答え:  (特2条3項1号)

解説: 
 物の発明の実施とは,その物の生産,使用,譲渡等,輸出若しくは輸入又は譲渡等の申し出をする行為(特2条3項1号)をいう。
 よって,本枝は正しい。

Point!
 物の輸出は,国境を超えた経済取引の活発化,国内での模倣品の製造・譲渡が捕捉できない場合に,輸出の水際での模倣品の差止めが困難であったことに伴い平成18年改正にて実施行為に追加されたものです。



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H17-20-ロ 特-特許権の効力及びその制限


■ H17-20 枝(ロ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許権に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,誤っているものは,いくつあるか。

(ロ) 薬を生産する方法の発明につき我が国で特許権の設定の登録がなされている場合,外国の製薬会社が外国で当該方法を使用して製造した薬を,当該特許権者の許諾を得ずに販売を目的として我が国に輸入する行為は,特許権の侵害となる。






<解答>
答え:  (特2条3項3号)

解説: 
 物を生産する方法の発明の効力は,その方法により生産した物の輸入をする行為にも効力が及ぶ(特2条3項3号)。
 本問における,「外国で当該方法を使用して製造した薬を,……輸入する行為」は,当該特許発明の業としての実施に該当する(特68条)。
 よって,本枝は正しい。

Point!
 訴訟においては,国内生産物と外国生産物を権利保護上区別すべきでないとするパリ5条の4を介して,外国で製造された物に対しても,特許権者は特104条の推定を主張できます。



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H17-20-ハ 特-特許権の効力及びその制限


■ H17-20 枝(ハ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許権に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,誤っているものは,いくつあるか。

(ハ) 特許権の存続期間は,特許出願の日から 20年をもって終了し,その延長は一切認められていない。






<解答>
答え: × (特67条2項)

解説: 
 特許権の存続期間は,特許出願の日から20年をもって終了する(特67条1項)。しかし,その特許発明の実施をすることができない期間があったときは,5年を限度として,延長登録の出願により延長することができる(同条2項)。なぜなら,公益的見地から,法規制に基づく許認可を受ける必要がある場合に,その分だけ特許期間が侵食されているときは,特許権による実質的な保護期間の回復を図る必要があるからである。
 よって,本枝は誤り。



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H17-20-ニ 特-特許権の効力及びその制限


■ H17-20 枝(ニ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許権に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,誤っているものは,いくつあるか。

(ニ) ラジオ受信機の発明につき特許権の設定の登録がなされている場合,個人が当該特許権者の許諾を得ずに趣味として当該特許発明の技術的範囲に含まれるラジオ受信機を1台製造して家庭内に設置し,個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為は,特許権の侵害となる。






<解答>
答え: × (特68条)

解説: 
 特許権者は,「業として」特許発明の実施をする権利を専有する(特68条)。ここで「業として」とは,広く事業としての意であり,反復継続性は問わないが,個人的・家庭的実施を排除するものである。
 本問の,「ラジオ受信機を1台製造して家庭内に設置し,個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為」は,個人的なラジオ受信機の実施であり,「業として」の実施ではない。
 よって,本枝は誤り。



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H17-20-ホ 特-特許権の効力及びその制限


■ H17-20 枝(ホ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許権に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,誤っているものは,いくつあるか。

(ホ) 特許発明の技術的範囲についての特許庁の判定は,裁判所を拘束する。






<解答>
答え: × (加熱膨張装置事件(最判昭43・4・18))

解説: 
 特許発明の技術的範囲について特許庁に対し,判定を求めることができる(特71条)。ここで判定とは,特許庁の単なる意見の表明であって,鑑定的性質を有するにとどまるものと解され,裁判所を拘束するものではない。
 よって,本枝は誤り。



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H16-33-イ 特-特許権の効力及びその制限


■ H16-33 枝(イ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許法に規定する特許権者の権利に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,正しいものは,いくつあるか。

(イ) 特許権者は,通常実施権を許諾したときは,当該設定行為で定めた範囲について専用実施権を設定することができない。






<解答>
答え: × (特78条1項)

解説: 
 通常実施権は,特許権者を債務者とする不作為請求権(債権)に過ぎない。
 したがって,特許権者は,当該通常実施権と同一の範囲について専用実施権を設定することは可能である。
 本枝は,「専用実施権を設定することができない」とする点で,誤りである。

Point!
 専用実施権の設定により実施ができなくなった通常実施権者は,特許権者に,債務不履行責任を追及します(民415条)。



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H16-33-ロ 特-特許権の効力及びその制限


■ H16-33 枝(ロ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許法に規定する特許権者の権利に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,正しいものは,いくつあるか。

(ロ) 特許権者は,特許権の存続期間が特許法第67条第2項に規定する政令で定める処分に基づいて延長されているときに,当該処分とは異なる処分に基づいて延長登録を受けることができる場合がある。






<解答>
答え:  (特67条2項)

解説: 
 存続期間の延長登録の出願は,1つの処分ごとに行う性格のものであり,特許権の存続期間の延長の効力は,特67条2項の政令で定める処分の対象となった物についての特許発明の実施にのみ及ぶこととなっている。
 したがって,特許権の存続期間が特67条2項に規定する政令で定める処分に基づいて延長されているときでも,当該処分とは異なる処分に基づいて延長登録を受けることができる。
 よって,本枝は正しい。



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H16-33-ハ 特-特許権の効力及びその制限


■ H16-33 枝(ハ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許法に規定する特許権者の権利に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,正しいものは,いくつあるか。

(ハ) 特許権者は,その特許発明がその特許出願の日の出願に係る他人の特許発明を利用するものであるときは,業としてその特許発明の実施をすることができない。






<解答>
答え: × (特72条)

解説: 
 特許法では,独占権相互間の権利関係を調整するため,先願優位の原則に基づき,利用発明にかかる後願権利者の実施を制限している(特72条)。
 本問は,利用関係は成立するものの,同日に出願された出願であり,先願優位の原則で優劣をつけられないため,特72条の適用はない。
 したがって,当該特許権者は特許発明を実施することができる。
 よって,本枝は誤り。



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H16-33-二 特-特許権の効力及びその制限


■ H16-33 枝(二) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許法に規定する特許権者の権利に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,正しいものは,いくつあるか。

(二) 特許権が共有に係るときは,各共有者は,他の共有者の同意を得なければその特許発明の実施をすることができない場合がある。






<解答>
答え:  (特73条2項)

解説: 
 特許権は財産権であるため,特許権の共有についても,原則として民法の共有の規定(民249条乃至264条)が適用される。
 しかし,権利客体が抽象的な技術的思想(特2条1項)という無体物であり,事実上の占有が不可能という特殊性を有する。
 そこで法は民法の特別規定として特73条を規定している。ここで,各共有者は,複数人が同時に同一客体を実施できるという発明の特殊性より,他の共有者の同意を得ないでその特許発明を実施できるのが原則である(特73条2項)。
 しかし,契約で別段の定をした場合には,契約自由の原則により,各共有者は,他の共有者の同意を得なければ当該特許発明の実施をすることができない。
 よって,本枝は正しい。



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H16-33-ホ 特-特許権の効力及びその制限


■ H16-33 枝(ホ) ■   特-特許権の効力及びその制限

<問題>
 特許法に規定する特許権者の権利に関し,次の(イ)~(ホ)のうち,正しいものは,いくつあるか。

(ホ) 特許権が共有に係るときは,各共有者は,他の共有者の同意を得ないで,その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。






<解答>
答え: × (特73条3項)

解説: 
 特許権が共有に係るときは,各共有者は,他の共有者の同意を得なければ,…他人に通常実施権を許諾することができない(特73条3項)。許諾を受ける者の経済力,資本力によっては,他の共有者の持分の経済的価値が変動し,不利益を生じるためである。
 よって,本枝は誤り。



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